特許の審査基準(先願と拡大先願)

query_builder 2021/10/08
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以前のブログでは特許の審査基準(基本編)をお伝えしましたが、

今回は先願主義拡大先願についてご説明します。


①先願について

新規性の有無の判断基準の一つに、公に知られている(公知と言います)か否かというものがありますが、これは主に特許庁が持っている出願データ中の文献から検索されます。


すると、以下のような場合はどうなるでしょう。

「Aさんが、Xという発明を4月1日に出願しました。その後Bさんが同じXという発明を4月2日に出願しました。

Bさんの出願の時点では、Aさんの出願は公開されていないので、Bさんの出願はAさんの出願により新規性が否定されることがありません。」


つまり、先の出願の公開前であれば、後から同じ発明を出願した人も特許を取れてしまう可能性が出てきます。


しかしここで、先願主義という考え方があることによって、後から出願した人は特許を受けることができなくなります。


先願主義とは、同一の発明について複数の出願があった場合、最初の出願のみが特許を受けることができるというものです。

ただしこれは「特許請求の範囲」の記載のみが判断部分になります。

また、文章の表現程度の僅かな違いであれば、「同一」に含まれます(「実質同一」と言われます)。


やはり条文というのは抜け目なくできているものです。


さらに、上述のAさんBさんの例に、Bさんの出願に対する特許庁による審査がAさんの出願の公開後という条件が加われば、拡大先願が適用可能となります。


拡大先願とは、先の出願における「特許請求の範囲」に加えて、「明細書」、「図面」に記載された内容も、後の出願は特許を受けられないという規定です。


まとめますと、

Aさんの出願日と公開日には1年半以上のタイムラグがあります。

ではその間にBさんが同じ発明を出願した場合どうなるか。

Aさんの出願がまだ公知になっていないことで、Bさんの発明の新規性は否定されません。

ですが、先願や拡大先願の規定によって、結局はBさんの発明は特許を受けることはできないということになります。


まぁBさんからしてみれば、公開前のAさんの発明について知ることは不可能なことです。こればかりは仕方ないことであり、特許庁から拒絶理由が来たときにどのように対応していくかが非常に重要となります。


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