特許の悪魔【パテントトロール】

query_builder 2021/11/30
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特許権は非常に利便性が高い権利です。


その理由の一つとして、その発明の開発・生産等を全く行っていなくとも、言うなればそれが机上の空論であったとしても、理論的に成立さえすれば特許になり得ます。


さらに、特許権は所定の手続を行うことで他人に譲渡することが可能です。


これらの利便性を最大限活用しているのが、いわゆるパテントトロール(特許の悪魔)と言われる組織です。


パテントトロールは、数名でやっているところもあれば企業として大規模な組織を形成している場合もあり、その形態は様々です。


ではパテントトロールとは具体的に何なのか。

簡単に言えば、個人発明家等から特許権を買い漁って、これらの特許権を組み合わせ、メーカーに対して権利侵害を訴え、多額の特許ライセンス料を受け取ることを生業とする組織です。


ところでメーカーは、コンペチター(同業他社)との間でクロスライセンス契約を結んでいる場合が多くあります。

これは、互いの製品が互いに権利侵害し合っている状態において結ばれる契約です。


すなわちメーカーは、世の中に数多く存在する特許権の全てをくぐり抜けるようにして開発を進めても良い製品ができないので、一部の特許権は使わざるを得ないと割り切って、開発を進める場合があります。


しかし、その権利侵害した特許権を有する相手がコンペチターであった場合、相手も自社の特許権を侵害している可能性があります。

そのようなときに、お互い様ということで、クロスライセンス契約が結ばれるのです。


そして日本の企業における知的財産部はこの点の交渉に長けていると言われています。


ところが、ことパテントトロールに対しては、メーカーが太刀打ちすることは難しいです。


なぜなら、パテントトロールは自社で開発・生産を行っていないため、パテントトロール側がメーカーの特許権を侵害をすることは有り得ず、それにより、上述した「クロスライセンス契約」という落としどころを設けることができないからです。


これにより、パテントトロールはメーカーとの特許権侵害交渉の場で非常に優位に話を進めることができるのです。


日本ではあまり馴染みがないこのパテントトロールですが、例えば裁判好きの米国では、日夜メーカーとパテントトロールとの戦いが繰り広げられています。



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