アインシュタインと特許

query_builder 2021/12/31
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だいぶ前になりますが、私が大学受験をしたときは、他の友人と違って学科や進路について迷うことが全くなく、初めから物理学科に行くと決めていました。


その理由は、中学生のときに伝記を読んだことがきっかけとなり、アインシュタインとても憧れていたからです。今どきの言葉で言うと中二病というやつです(結局大学の研究室はアインシュタインとはあまり関係ない分野(第二量子化や超伝導)を研究しているところを選びましたが)。


物理学において1905年は奇跡の年と言われています。

アインシュタインが学会に4本の論文を提出し、そのどれもがノーベル賞級の内容であったからです。


4本の論文の内容は、「光電効果」「ブラウン運動」「特殊相対性理論」「質量とエネルギーの等価性」といったものでした。


ただ、よく「天才は死後に評価される」などと言われますが、これら4本の論文は当初正当な評価を受けませんでした。


アインシュタインは幸いにも生前にノーベル物理学賞を受賞しましたが、受賞対象となったのは、4本の論文のなかで現在最も一般的に認知されている相対性理論の論文ではなく、光電効果の論文でした。


その理由としては、特殊相対性理論は当時の科学の常識を根底から覆すものであり賛否両論となったことと、発表当時のアインシュタインは研究者ではなかったことが挙げられます。


特に後者についてはあまり知られていない話なのですが、アインシュタインは1905年当時、研究所や大学の研究室で働いていたのではなく、なんと特許庁で審査官として勤務していたのです。


つまり、それまでの科学者達が積み上げてきたものに対して、特許庁の一審査官が楯突くとは何事だという風潮になった訳です(さらに、アインシュタインがユダヤ人であったことも大きな要因と言われています)。


しかし、一部の権威ある物理学者たちの支持を得たことで、その後アインシュタインの功績は世界中の人に認識されるようになりました。また、大学教授になった後には、特殊相対性理論に重力の要素を組み合わせた一般相対性理論も発表しており、これは現在GPSに利用されています。


ではなぜ、1905年当時、特許庁審査官であったアインシュタインがとてつもない功績を残すことができたのか、その理由は2つあると言われています。


一つは、当時のアインシュタインにはとても時間があったからです。

特許庁審査官としての仕事を昼までに終わらせ、午後からは自分の研究に没頭する時間があったそうです。

当時アインシュタインがいたスイスでは特許の価値があまり見い出されておらず審査官としての仕事が少なかったのか、あるいは、アインシュタインの仕事が早かったのかは定かではありませんが、とにかく、アインシュタインは日々、上司に隠れて午後から研究に没頭することができていました。


二つには、アインシュタインの研究内容が、実験物理学者ではなく理論物理学者としての性質を持っていたからです。

たとえ彼に時間があるといっても、装置を使って実験や観測をしなければならない研究内容であれば、研究所や大学の研究室に行かなければなりませんが、さすがに毎日毎日昼に退社するなんてことはできるわけがありません。


ですが、彼の研究の進め方はそのようなものではありませんでした。

あるときアインシュタインは、取材に訪れた記者に対し「私の実験室はここだよ」といって、ポケットから紙とペンを取り出したという話があります。


つまり彼は、自らの思考実験によって4本の論文を書いたということです。これは、その後発表した一般相対性理論についてもまた同じでした。彼が天才物理学者と言われる所以ですね。


中二病が再発してつらつらと書き連ねてしまいましたが、最後に特許について少し話します。


実は特許の発明者の中にも、アインシュタインのような理論物理学者に近いようなかたがいます。


つまり、物理学者が実験物理学者と理論物理学者に分類されるように(とはいえ現代においては純粋な理論物理学者は少数らしいですが)、特許の発明者の中にも、実際に製品として形作ったものを出願するかたもいれば、頭の中で考えたものを出願する人もいます。


もっとも特許については、物理学の方程式のような高度な知識や論理的思考は必ずしも必要なものではなく、ぱっと閃いたアイデアだけでも権利化され得ます。


そのため、アインシュタインのような天才でなければ特許を取得できないということは全くありませんので、ご安心ください。


大事なことは、弊社や特許事務所の技術者と打ち合わせを行い、内容をブラッシュアップすることで、より強い権利にしていくことです。


特に弊社は、共同出願という形を取ることで、より発明者のかたに寄り添って発明をブラッシュアップすることを心がけております。


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